タスク管理のためにAWSにRedmineを構築・運用する(構築編)
1.経緯
宇宙打NEXTの開発作業は多岐に渡ります。
・用語の選定
・開発方式の選定
・アーキテクチャの構築
・プログラムの開発
・動作確認
・リリースと告知
などなど。
また、ものによっては一人だけではなく、複数の人で作業を進める場合も出てくるでしょう。
こういった作業を円滑に進めるために、一般的には「プロジェクト」というものを立ち上げ、作業を「WBS」(※)というものに落とし込んで、「タスク」の管理を行います。
(※)「WBS」とは、テレビ東京系列のニュース番組のことではなく、Work Breakdown Structure のことです。ちなみに、WBSの起源はアメリカ航空宇宙局NASAと言われており、アポロ計画はWBSがあったからこそ成功したそうです。
その際に威力を発揮できるのが、チケット管理システム「Redmine」です。
私も業務でプロジェクト管理を行う際にRedmineを使用することがあるのですが、大変役に立っています。
「Redmineによるタスクマネジメント実践技法」という本のまえがきを著している平鍋健児さんによると、
現代のプロジェクトに必須なインフラをもう一つあげるとしたら、私は本書で扱う「チケット管理システム」(=Redmineのこと)をあげます。
それは、プロジェクトでもっとも大切な活動である「仕事の流れ」を共有し、時間に沿って記録し変更を管理するからです。
とのことです。
普通Redmineを構築する際は、社内Linuxサーバを立ち上げ、そこにRedmineを構築し、社内メンバーがアクセスできるように設定する、という方法をとるのですが、今回はより簡易的に、AWS上に構築する方法についてご紹介します。
2.AWSにRedmineを構築する
では、さっそくAWSにRedmineを構築してみましょう。
なお、ここではAWSの無料アカウントを既に持っていることを前提としています。AWSの無料アカウントはメールアドレスを登録するだけですぐに取得することができますので、皆さん検索してチャレンジしてみてください。
まずは、AWSからEC2サービスを選択します。
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インスタンスを作成します。
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Amazonマシンイメージ(AMI)でRedmineのAMIが準備されているため、それを適用します。
「AWS Marketplace」からRedmineを探して選択します。
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検索して探すこともできます。
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次に、インスタンスタイプを選択します。
インスタンスタイプとは、簡単に言えば「能力」のことです。例えばメモリが多ければ高性能、ストレージが大きければ大容量、というように「能力」が上がるわけですが、その分価格も高くなります。
今回は無料枠で構築しようと思うので、「無料利用枠の対象」と親切に案内がついている「t2 micro」を選択します。
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(※)ちなみに、「t2 micro」の「t2」はプロセッサーの種類、「micro」はメモリの量を指す、というのが私の理解です。詳しくはこちらをご覧ください。
■インスタンスタイプ – Amazon EC2 | AWS
https://aws.amazon.com/jp/ec2/instance-types/
インスタンスの作成内容を確認したら、さっそく「起動」してみます。
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この際に、キーペアを作成するかどうかを求められます。
キーペアとは、ログイン情報の暗号化と復号化を行うための「鍵」です。これを作成しておくと、インスタンスにログインするには、この「鍵」が必要となります。
今回は試しに、キーペアを作成してみましょう。
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(※)キーペアについての詳細はこちらをご覧ください。
■Amazon EC2 のキーペア – Amazon Elastic Compute Cloud
http://docs.aws.amazon.com/ja_jp/AWSEC2/latest/UserGuide/ec2-key-pairs.html
インスタンスの作成中は、以下のような表示になります。
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作成ログを表示して、「作成が完了しました」と表示されれば、作成完了です!
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念のため、インスタンスの管理画面を表示し、ステータスを確認しましょう。
「インスタンスの状態」が「running」になっていればOKです。
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ではさっそく、ブラウザでIPアドレスを指定してRedmineのトップページを開いてみましょう。
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無事、開けました!
さて、開けたはいいですが、管理コンソールにログインするためのIDとパスワードがわからないですね。
でも構築するときにパスワードの入力は特にしていない。。。
こんな時は、構築時にクリックした裏で何をやっていたのか、ログを確認するに限ります。
インスタンスの管理画面から、「アクション」→「インスタンスの設定」→「システムログの取得」を選択して、構築時のシステムログを確認します。
これをずっと見ていくと、####で囲われたログが出てきて、そこにパスワードの記載がありました。
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このパスワードを使ってみましょう。
なお、ログインIDは「user」とします。これは勘です:)
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無事ログインできました!
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今日のところは、「構築編」ということで、まずはここまでです。
次回は「運用編」として、このAWS上でのRedmineの運用をどのように行っているかをご紹介します。